地球の木総会のあと開かれた講演会。40名を越す参加者たちは、安井さんの話にひきこまれました。
難民キャンプでモン族の子どもたちに絵本を見せることから始まった安井さんのモン族と関わる活動は、もう30年近くになります。
いろいろな工夫をして子どもたちと心をつないでいく様子は実に見事です。文字を持たないモン族の口承の民話を消滅させてはならないと老人たちの語りを録音し、
子どもたちに聞かせたり、刺繍の絵本作りなど、
安井さんはどんどんモン族と繋がっていきました。「モンの村に住んでみて初めて、彼らの感覚が分かった」
という安井さんは、同時に村の誰もから仲間として受け入れられたのです。
「大人たちが畑に行っている間に子どもたちは、水汲み、焚き木とり、豚のえさやりなどてきぱきと働き、
山で生きる力を身につけていく。しかし昨年電気が入り、ぼぉっとTVを見ている姿を見る。経済優先の社会で、彼らが弱い立場になることを憂えている」という話に私たちは現実を見ざるをえません。
モンの子どもたちに「いろいろな世界にふれる機会を与えたい」と現在2ヵ所の村とビエンチャンの自宅横にて
図書館活動をされていますが、その影響は子どもたちだけではなく、図書館に関わる女性たちにも及んでいるそうです。
モンの女性たちも力をつけてきている。図書館を通じて世界が広がり、新しい人生を歩き始めるきっかけになっている」
と安井さんは最後を結びました。