子育て中に「この制度は何だろう」「どこに相談すればいいのか迷う」と感じたことはありませんか。日本の少子化・親子孤立・養育困難など、親子を取り巻く社会課題は複雑で重いものです。そんな中で、NPO法人フローレンスは、子どもの育ちと親の安心を社会全体で育むために、設立以来一貫して支援の輪を広げてきた組織です。この記事では、設立経緯から最新の活動までを丁寧に整理し、「NPO法人 フローレンスとは」を知るためのガイドとしてお届けします。
目次
NPO法人 フローレンスとは:設立経緯と理念
認定NPO法人フローレンスは2004年に設立され、子どもと子育てを取り巻くさまざまな社会課題—保育の空き、病児保育の不足、障害児育成、ひとり親家庭の困難など—に応えるため行動を始めました。設立の背景には、働く親が子どもの病気や急な体調不良などで仕事を休まざるを得ず、「共に育てる社会」の必要性が強く意識されたことがあります。理念には「こどもは社会で育む」という言葉があり、親だけでなく地域・制度・社会全体が子育てに関わることを目指しています。20周年を迎えた現在も、理念は変わらず、支援の現場だけでなく政策提言や社会制度改革にも力を入れています。
設立のきっかけ
ひとり親家庭や共働き家庭で子どもを病気のときに預けられる場所が非常に限られていたことが、設立の大きな契機でした。2005年に日本初の訪問型・共済型病児保育事業を始めるなど、先駆的な取り組みからスタートし、実践を通じて社会のニーズを可視化して制度変更を働きかけるスタイルをとってきました。
理念とミッション
フローレンスのミッションは、親子の笑顔を妨げる社会問題を解決し、多様な家族が挑戦できる社会をつくることにあります。子育てと仕事の両立、親だけが育児責任を負う構造の是正、子どもの貧困・障害・養育環境の格差の解消など、理念は現場での支援と社会全体の制度設計の両面から実践されています。
組織体制と認定について
組織は複数の事業部を持ち、それぞれが事業部長によって運営され、理事会・監事・総会などの協議体で意思決定を行います。認定NPO法人として、寄付金が税控除の対象となるため、支援者との信頼関係も重視されています。法人番号など法的な認可を取得し、民間養子縁組あっせん機関としても厚生労働省および都道府県から許可を受けています。
主な子育て支援活動:

病児保育・訪問型・共済型の病児保育
設立後まもなく始められた日本初の訪問型・共済型の病児保育は、子どもが病気のときに家庭で預かるサービスであり、共働きやひとり親家庭にとっての大きな救いとなっています。これまでに十万件を超える利用があり、医療と保育の両方の視点を持つスタッフが安心・安全な保育を提供しています。訪問型とは、お預かりが必要なご家庭を訪問するサービスであり、共済型とは会員制度によりリスクを分散させる仕組みを意味します。
おうち保育園・小規模保育の制度化
都市部を中心に保育園の不足が深刻でしたが、フローレンスは0~2歳児を対象とした定員19人以下の「おうち保育園」を2010年にスタートさせました。これが、国の子ども・子育て支援制度で「小規模認可保育所」として制度化される流れをつくるきっかけとなりました。小規模保育の拡大によって、待機児童問題の解消の一助となっています。
障害児保育・医療的ケア支援
医療的ケアが必要な子や重症心身障害児など、従来の保育施設では預かれない子どもたちを支えるための「障害児保育園ヘレン」、その後の訪問保育や医療ケアシッターなど、家庭と地域に密着した支援が行われています。親の負担を軽くしながら、子どもにとって最適な育ちの場を整備することが重視されています。
特別養子縁組(赤ちゃん縁組)事業
生みの親・育ての親双方への相談支援、研修制度、法的な手続きサポートまで包括的に行う特別養子縁組事業を展開しています。特に、生みの親が安心して妊娠・出産・養育について考えられるよう、自己決定を尊重する相談援助が提供されており、育ての親となる夫婦の研修もオンライン、対面、保育園実習など多角的です。
社会問題への包括的アプローチと政策提言

フローレンスは現場での支援のみならず、制度や社会の仕組みを変える政策提言・ソーシャルアクションにも積極的です。自身の事業を通じて得た現場知見をもとに法律改正や制度設計に参与し、「医療的ケア児支援法」の制定や、小規模保育の制度化といった成果をあげています。また、「こども予算倍増」など、子育て家庭が抱える経済的負担や政策インパクトの議論を喚起する活動も行っています。
こども宅食・見守り型支援
こども宅食はただ食材を届けるだけでなく、定期的な訪問を通じて家庭の状況を見守り、必要な行政支援や地域団体とのつながりにつなげていく支援です。地域の困りごと発見から継続的な支援につなぐ役割を果たしており、見えにくい貧困や孤立の家庭へ届く重要な支援モデルとして注目されています。
最新情報と現在の課題
最近では、ひとり親家庭等の経済的困窮に対応する「こどもの食事等支援事業」が助成事業として継続的に実施されています。物価高の影響で、子どもを育てる家庭の食費や光熱費などの負担増が深刻になっており、この支援の意義はますます高まっています。
政策提言キャンペーン
例えば、子育て負担の軽減を目指して、妊婦健診・出産費用・保育料・給食費・医療費などを無償化する提言を含む「子育て無料社会」キャンペーンを展開しています。こうした政策の呼びかけにより、社会における子育て支援制度のあり方を問い直す機会を提供しています。
2024年リニューアルとビジョン刷新
設立20周年を機に、コーポレートサイトの全面リニューアルが行われ、採用サイトが新設されました。新しいビジョン「今を生きるわたしたちと まだ見ぬこどもたちが 希望と手をつないで歩める社会」も発表され、これからの10年・20年を見据えた支援の方向性が改めて示されました。
どのように関わるか:支援者・利用者に向けて

フローレンスの活動に参加・支援する方法はいくつもあります。支援を受けたい親子・家庭にとっては各事業の窓口相談、利用登録、研修参加などがあります。一方、寄付をしたい人、企業とパートナーを組みたい人には、使途指定や法人協働事業などが用意されています。また、スタッフ・ボランティアとして参画する門もひらかれています。
利用登録の流れ
例えば特別養子縁組を希望する「育ての親」は研修や面談を経て登録し、迎え入れ後も交流会などで支援を受けられます。病児保育では会員制度があり、訪問保育や施設保育の利用が可能です。必要な情報提供とサポートが充実しており、「初めての方」であっても安心して問い合わせできる環境が整っています。
寄付・協働・参加の方法
認定NPO法人であるため、個人からの寄付は税制上の優遇対象となり、使途限定のご希望にも応じています。企業との協働事業やプロジェクト参加、地域パートナーとしての団体との連携など、多様な形の支援関わりが可能です。
まとめ
NPO法人 フローレンスとは、子育てや子どもを取り巻く社会課題に対して、現場支援と制度改革を両輪として活動する認定NPO法人です。病児保育や障害児支援、ひとり親家庭の支援、特別養子縁組、こども宅食など、多岐にわたる事業を持ち、理念である「こどもは社会で育む」を実践しています。
設立から20年を超え、最新情報ではビジョンの刷新やサイトのリニューアル、新たな政策提言の強化などが進められており、時代の変化に応じて支援のあり方をアップデートしてきています。
子育てに悩む方、支援に関心がある方、制度を変えていきたいと思う方にとって、フローレンスは頼りになる存在です。制度や社会の担い手をともに考えたい方は、まずお気持ちを伝えるところから関わってみるのがよいでしょう。
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